2018.09.01
民間パワーを学校に 🍒教室だより2018-09月号この夏、板橋区内小学校(板橋教室)ほか、特別支援学校(千葉・市川市特別支援学級担当者、銚子特別支援学校、冨里特別支援学校/東京・都立しいのき特別支援学校)で実施した研修から主な内容を報告します。
「学齢期の学びは 子どもの一生を支える」 /伊庭
個別学習の大切さを伝えるために、本八幡本部教室で小1~社会人の現在まで14年間継続しているYさんのご協力を得て、彼の学習をビデオで見ていただきました。入会当初はお母様と離れられなかったYさん、今では名前と文字、短い文の読み書きができ、生活の中での会話をよく理解します。また20までの数を数え、たし算とお金の計算ができます。「勉強は青い色鉛筆!」「100点の下には2本線を書いて!」のようなマイルールがありますが、学習を通して「集中して課題に取り組むこと」「指示を聞くこと」「待つこと」「人とテンポを合わせること」もできるようになりました。音声言語で話すことは少ないYさんですがその生き生きとした学習の様子から、「文字」や「数」が彼のコミュニケーションや生活を豊かなものにしていることが伝わり、「Yさんのモチベーションは素晴らしい!」「特別支援学校の自立活動にもこのノウハウを生かしたい」などの声をいただきました。
「楽しいSSTで 自己理解を深める」 /宮本一哉(千葉エリアリーダー)
「SST→ルールを守れるようにする、というイメージはもう古い! 自然には身につきにくい“生活の中でうまくいくコツ”を段階的に楽しく教え、実践できるようにしていくのがSSTです!」と熱く語るのは千葉エリア・宮本リーダー。複数の学校でSST模擬授業を実施、先生方から「目からウロコ」と大好評でした。幅広いSST領域の中から選んだのは彼が特に大切にしている「自己理解」。「自己って、交通事故じゃないですよ!」というツカミから、「自分の心を9つの部屋に分けて、自分の大切なものや好きなこと、興味があることを入れてみましょう(特別支援のSST教材:心の部屋をのぞいてみよう)」という流れ。先生方の心の中に「学校」「奥さん」「子ども」「ワイン」「鉄道」「いちぢく!」など素敵な部屋が存在し、ワイワイガヤガヤ大盛り上がり。「自分の中に大切なものがある」「たくさんのものや人に支えられている」ことに気づくねらいを達成していく鮮やかな授業に、大きな拍手をいただきました。最大110人の先生方の前で「すごく緊張した」という宮本リーダーですが、「厳しい指導」より「教える側が自己開示して楽しい活動を作り上げる」大切さを伝えることができたようです。
学習指導要領改訂とともに特別支援学校はより個々の力に合わせた指導が求められます。「うちの学校でも!」というお声があれば、ご相談ください。(伊庭葉子)
★東京都教育庁委託事業「コミュニケーションアシスト講座(夏期講座)」に都立高校生63人が参加、新たな仲間を得て成長しました。本講座は2月まで続きます。
↑千葉エリアリーダー・ミヤモトの楽しいSST授業は大好評!
↑犬も活躍(笑) /フォトグラファーTomokoArimaさんの写真展
伊庭葉子