コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

さくらんぼ教室

2023.07.01

全て「普通」は、「普通」ではない 🍒だより2023-07月号

〇今年の夏も暑くなりそうです。

夏期講習は、学習と工作・SSTを組み合わせた「🍒サマースクール」がおすすめです。生徒さんから「さくらんぼ教室が学校だったらいいのにな・・・」そんな声をいただいたことをきっかけに、教室運営部のメンバーが企画したプログラム。20年前のさくらんぼの夏は、花火大会(江戸川河川敷や地域の小学校で!)、プラレール大会(教室がプラレール博!)、夏祭り(教室にオバケ屋敷が!)などイベント中心でしたが、時を重ね「自由時間が長い夏休みだからこそ力をつける!」夏期講習へと進化してきました。

各教室でどんなサマースクールが展開されるか、楽しみです!

 

〇都立高校生のための「コミュニケーションアシスト講座」

今年度も開講(教育庁の委託事業。今年で8年目)しました。「“コミュ力”をつけたい!」という都立高校生から過去最高の100人を超える申し込みがありました。「友達がほしい」「もっと人と話したい」そんな都立高校生が、さくらんぼ教室SSTをもとにしたカリキュラムでコミュニケーションを体験・練習できる講座です。

先日は特別講座として東京都立大学ダイバーシティー推進室の益子徹(ましこ・とおる)先生をお迎えし「ダイバーシティー講座」を開講ました。

 

〇「普通って何だろう?」

益子先生からの問いかけに「みんなが当たり前だと思っていること」「集団の常識」など答える高校生たち。でもちょっと考えてみて。「50m走のタイムは?」「英検の級は?」「好きなアーティストは?」・・・一つひとつ見ていくとその「当たり前」や「普通」はとても幅広いことに気づきます。「普通(標準化されたモデル)」と、「自分の中の普通」「自分が所属するコミュニティーの中の普通」は必ずしも同じではないということ。「すべてのことに『普通』でいることは『普通』なことではない。自分の『普通』(らしさ)を捉え直そう」というメッセージは、高校生たちの心にとても新鮮だったようです。

 

〇さくらんぼ教室の中高生たちも

「授業中にやる気が出ない」「実習に集中できない」「友達の行動にイライラする」「漢字や計算が難しい」「朝がだるい」・・・さくらんぼ教室中高生SST「相談しよう」であがった声です。親御さんから「やる気がない」「怠けている」ように見えがちな子どもたちも、集団生活の「普通」の中でストレスを抱えています。一方で「立派な大人になるにはどうしたらいい?」「友達の増やし方は?」「アルバイトは何から始めたらいい?」など、生きるヒントを求める前向きな声が多いのもさくらんぼ教室ならではだと思います。しんどいことは相談し、知りたいことはどんどん質問しながら、「自分らしさ」を見つけていきましょう。

(伊庭葉子)