2021.12.01
「ありふれた毎日が、かけがえのない毎日」🍒教室だより2021-12月号●物語の舞台は、昭和の趣きあふれる小さな古民家。
一日の始まりは毎朝同じ時刻に鳴り響く目覚まし時計。
がばっと起き上がり「6時45分です」と確認→布団を畳んで→歯を磨き→母と二人で朝食をとる・・・そんな分刻みのルーティーンを生きる忠(ちゅう)さんこと忠男さん(ドランクドラゴン・塚地武雅)はもうすぐ50才で、母の珠子さん(加賀まりこ)と二人暮らし。
「行ってきます」決まった時刻に仕事に向かう忠さんを見送るのは、父親代わりでもある庭の梅の木・・・。
映画『梅切らぬバカ』(監督・脚本/和島香太郎)は、何とも微笑ましい忠さんの一日から私たちを惹き付けます。
穏やかな日常に変化をもたらすのが、隣に越してきた一家や近隣の人々。
少しの誤解や行き違いから生じるトラブルと、うまく説明できない忠さん、二人の生活は揺らぎます。
どんな時にも忠さんを守ってきた強い母の珠子さんは、悩んだ末にグループホームの入居を決めますが・・・。
●「実生活のパートナーの息子さんが自閉症」という加賀まりこさんと、自閉症の人と直接関わる中で見えてきた忠さん像を「真っ直ぐに演じた」という塚地さん、お二人が演じる母子の優しく温かい日常は、「誰とどう生きるか」を問いかけます。
大好きな馬のぬいぐるみを幸せそうに抱く忠さんも「お嫁さんがほしい」と願っており、「親子で暮らせる時間は永遠ではなく、子どもはどこかで変化や自立を受け入れる準備をしている」ことにも気づかされます。
劇場には忠さん母子と同年代とおぼしき親子もいらしていて、上映後には会場から拍手が贈られていました。
映画のタイトルの元になった「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉は、樹木の剪定は木の特性に従って対処しなくてはならないという戒めで、人との関わりにおいても相手をよく理解しようと向き合うことが大事である、ということを指すそうです。
●先月2年ぶりに「全スタッフ研修」(タワーホール船堀)を行い、教室を支える200人の社員・スタッフが一堂に会して教室の役割と成果を共有しました。
参加したスタッフから
「さくらんぼ教室は、自分らしく学べる貴重な場所であり、その瞬間に指導をしている生徒さんに全力で向き合っていかなければいけないと感じた」
「ふつうやあたりまえを見直し、個別最適な学びを目指していきたい」
「指導する時は常識だけを教えるのではなく、その子の中の正解を見つけることも必要」
「生徒さんと関わる際はどんな時でも明るく笑顔で関われるよう努めたい。自信をつけること、積極的にコミュニケーションがとれるよう、周りに捉われず支援をすることが大切だと感じた」
「生徒さんが日々学校や社会生活の中で頑張っているからこそ、教室では『あたりまえのこと』や『いつものがんばり』に気づき、褒めてあげたい」
など、頼もしい声をたくさんもらいました。
来年は市ヶ谷教室の開校、柏教室の増床を予定しており、社員・スタッフが力を合わせてさらによい指導ができるよう尽力致します。
今年もご協力をありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。
受験生の皆さん、頑張って!!
(伊庭葉子)