2020.09.01
大丈夫、ずっとつながっている 🍒教室だより2020-09月号30周年に向けてPart2 「大丈夫」ずっとつながっている
●「どうして、さくらんぼ教室という名前にしたのですか?」よく聞かれます。30年前、ささやかな学習教室を立ち上げるチラシを作る際に「何か名前をつけなくては」と、「親子がつながっているイメージで、さくらんぼ!」と決めた一瞬を今も覚えています。当時は自前の教室はなく、公民館に保護者の皆様が朝から並んで場所取りをしてくれました。不便な会場へも、「お勉強、行こう」「今日もがんばろうね」とお母さんと幼いお子さんが手をつないで通ってくださる姿、親御さんが我が子に教育を求める思い、それがさくらんぼ教室の原点です。
●先月に続き、30周年記念イベントにお招きする、柳家花緑師匠。母上は、師匠が発達障害を公表したとき、「いやもうウソだと思った。なにか障害があるなんて、思ったことが一度もないから」と。「まったく勉強しないんだもの、しょうがないと思ってた。それに、音楽と図工、美術はよかったし、私もそうだったから。うちの家族はみんな芸術家向きなのかな」と“都合よく解釈していた”そう。そんな母上がよく言っていた「大丈夫だから」という言葉が、いつも師匠をポジティブな気持ちにしてくれたといいます。
●「まだ正社員にはなれない。頭のいい人じゃないとなれないのかな」と話すAさん。彼はもう10年、同じ職場で真面目に働いています。色々なことを乗り越えながら積み重ねてきた月日がどんなに尊いか。「でも何かあれば相談できる人たちがいますから」と社会人クラスを楽しみにしています。
大学を中退し就労に向けて一歩踏み出そうとしている、Bさん。一緒に伺った相談機関で、自分の得意・苦手をしっかり話せる姿に大きな成長を感じました。
春からグループホームで生活を始めたCさん。「レジ袋有料化だから」とエコバッグを買ってくるしっかり者。洗濯も掃除も頑張っているそうです。
家事を手伝いたいのに空回りして、家族に強い口調であたってしまうDさん。気持ちのコントロールがうまくいくよう、ご家族と一緒に見守り中。
「お母さんが亡くなっても、私は幸せ。仕事も楽しいです」という、OBのEさん。人見知りだった彼女を福祉の仕事に導いてくれた優しいお母様は他界されていますが、今も見守っておられることでしょう。
●「大丈夫だから」・・・そんなみんなに伝えたい言葉です。一人ひとりが、特別な存在。少しずつ成長していく子どもたちの心の中にいつも、幸せを願ってくれる誰かの存在があります。親子で、仲間同士で、これからもずっとつながっていきましょう。30年は素敵な出会いの連続でした。保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。 (伊庭葉子)
↓初期のパンフレットや教室だよりはワープロ&手書きでした(笑)