コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

2020.07.01

「10代の声を聴く」 🍒教室だより2020-07月号

■「なんていうか、歯止めがきかないっていうか・・・」そんなふうに自分の個性について語る生徒さん。「この辺でやめておいた方がいい」とわかっていてもつい友達に言いすぎてしまったり、「勉強しければ」と思ってもなかなか取りかかれなかったり・・・。ソフトで優しいご本人の印象からは伝わりにくい、“自分アクセル”や“自分ブレーキ”をコントロールする大変さ。刺激の多い学校生活の中で毎日頑張っていることを、一人でも多くの人にわかってもらえますように。

■「私の学校生活の出来事の一部を新しい教材として紹介していただくことを望みます」と手渡された原稿。執筆者は、オリジナル教材「さくらんぼ新聞(現・さくらんぼニュース)」記者1号として活躍してくれた生徒さん。小さい紙(ご本人曰く「節約のため」)の中に、球技大会の勝敗、バスの列への割込み、友人とのやり取りなど、学校の人間関係で生じた摩擦への「なんで?!」「どうして?!」が凝縮されています。記者が過ごしたリアルな日々の記録や感情は、教室の生徒さんの学校生活とも重なり合うもので、みんなで考えてみたい題材。ご本人と相談しながら、オリジナル教材『こんなときどうする?復活の刻』を作成することを約束しました。

■新型コロナウィルスによる環境について、声を聴かせてくれた生徒さんも。「体力がなくなるのを防ぐため、マスクや除菌ティッシュをさがしに外出していました」「父がテレワークになり学習できる環境がなくなりました」など急な生活の変化に戸惑いつつ頑張ったことに加え、「(政府は)国民から税金をもらっている以上『信用できる』という対応や姿勢を見せるのが筋だと思います」というご指摘も。10代の心はいつも、繊細でまっすぐで公正。我が道を行く子どもたちを危なっかしく感じることもありますが、「それはちがうよ」と否定するのではなく、「なるほど、そんなふうに感じているんだね」と共感するところから対話を始めましょう。誰かにちょっと話してみたくなる、誰かが「うん、うん」と聞いてくれる、さくらんぼ教室もそういう場所でありたいと思います。(伊庭葉子)