コラム

さくらんぼ教室だより(代表)

さくらんぼ教室

2024.06.01

自分の色で輝いて 🍒だより2024-06月号

先月荻窪教室「生徒理解」のためのスタッフ研修が行われました。子どもたちの発達上の特性は「すごく濃くてわかりやすい」~「とても薄くてわかりにくい」~「個性」までが「スペクトラム(連続体)」。さらにいくつかの特性が重なり合う「オリジナルブレンド」なので、一人のお子さんを偏差値やIQ、診断名だけでは十分に理解することはできません。だからこそ私たちは一緒に学習を積み重ねる中で一人ひとりの理解を深め、「その子に合う方法」を見つけていかなくてはなりません。

 

スタッフから「ノートには新幹線の名前だけ書きたい」「数は英語で数えたい」「英単語をたくさん書きたいのに4本線に収まらない」「集中スイッチが突然オフになり空の観察を開始!」など生徒のみなさんのエピソードがたくさんあがり、その背景にある特性や子どもの気持ち、効果的な指導・支援について賑やかに検討されました。

個性の多様さを「カラーパレットみたい」と表現した社員がいました。さくらんぼ教室はどの教室もカラフル!一人ひとりの色を見つけましょう。

 

多様性の時代、弊社には色々なお問合せをいただきます。「飛行機の旅を楽しめるように搭乗体験をしてみませんか(航空会社)」「秋の新作ドラマに発達障害をもつ登場人物がいるので協力してほしい(TV局)」「特別支援学校などで授業ができるAIロボットを開発中なので協力してほしい(商社)」など。カラフルへの理解が、社会全体に広がることに期待したいと思います。

 

千葉県は今年度から高校における「学習塾と連携した支援」を開始。弊社は「特別支援教育専門家チーム委員」として、通級を実施する14の高校で指導の助言や教員研修を担います。東京都の都立高校における通級による指導も4年目、弊社教育事業部は65校で180人を超える高校生の支援に関わっています。さくらんぼ教室の中3受験生の進路(昨年度)は、特別支援学校(都・県)165名、公・私立高等学校117名とそれぞれ。自立をめざす特別支援学校はもちろん、どの高等学校においても支援体制が整うよう働きかけていきます。

 

先日、同じ特別支援学校を卒業した仲良し3人組が近況報告に来てくれました。「忙しいけれど楽しいです(自動車関係)」「商品の検品を注意深く頑張っています(物流関係)」など奮闘し、「初めてパスポートをとって韓国に行きます」「フリーマーケットを楽しみました」などプライベートも充実している様子。母の日には「仕事帰りにケーキを買いました」「ミスタードーナツの抹茶ドーナツをプレゼントしました」「プレゼントではなくお手伝いをしました」と優しい心遣いもできる3人も、小さい頃は保護者の方の送迎で通室していました。いま20代半ばになってお髭も生え(笑)、手土産を持って会いにきてくれる、その心の成長と彼らの存在が教室の歴史です。   伊庭葉子